ストレージ保守とは、企業や個人が利用しているストレージ(記憶装置)の安定稼働を維持するために行うメンテナンスやサポートを指します。ストレージが故障すると、保存されている重要データが損なわれるだけでなく、システム障害による業務停止や復旧コストの増大といった深刻な影響が出る可能性があります。
本記事では、ストレージの概要や主な種類、そして保守の重要性や具体的な保守形態について解説します。さらに、メーカー保守が切れた後にどのような選択肢があるのか、ストレージ保守を選ぶ際に注目すべきポイントは何かなどもまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
ストレージとは、データを保存し、必要に応じて取り出せるようにする「記憶装置」のことです。データの容量増大や高速処理の要求が高まる現代において、ストレージの重要性は日々高まっています。サーバーに接続して利用する大規模なストレージから、個人用のUSBメモリや外付けHDDまで、その形態や規模はさまざまです。
ストレージには多くの種類がありますが、ここでは代表的な例を3つ挙げます。
HDDは、磁気ヘッドでデータを読み書きするストレージです。記憶容量あたりのコストが比較的低く、大容量を扱いやすい点が特長です。しかし、ディスクを物理的に回転させているため、衝撃に弱く、アクセス速度がSSDに比べて遅めです。
SSDは、フラッシュメモリを用いたストレージで、高速なアクセススピードが特長です。物理的な回転部品がなく衝撃にも強いのですが、HDDと比べると高価になりがちです。近年は大容量SSDの価格も下がりつつありますが、書き込み回数に上限がある点に注意が必要です。
磁気テープにデータを記録するストレージです。大容量データを低コストかつ長期保存できる点が大きなメリットです。ネットワークやオンラインとの接続を切り離して保存できるため、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からのリスクを下げる役割も担います。ただし、読み書き速度は他のストレージに比べると劣るため、即時性を要する用途には不向きです。
ストレージは、設置場所や使い方によっても分類が可能です。主に「内部」「外部」「クラウド」の3つに分けられます。
サーバーなどの本体内部に搭載するタイプのストレージです。物理的にサーバーと一体化しているため、設置スペースを節約でき、データ転送速度が高いというメリットがあります。一方で、サーバーごとにストレージが分散しがちで、サーバーを停止しないと交換・増設が難しいケースもあります。
USBケーブルやネットワークを介して外部接続するストレージです。外付けHDDやNAS(Network Attached Storage)などが代表例に挙げられます。持ち運びや他端末との共有が容易ですが、デバイスの盗難や紛失によるセキュリティリスクが高まる可能性があります。
インターネット経由でクラウド事業者が提供するストレージ領域を利用するタイプです。物理的な装置の管理から解放されるため導入が手軽で、必要に応じてスケーラブルに容量を増減できます。ただし、契約形態によっては長期的に見るとコストが高くつく可能性や、障害が起きたときに直接手を入れられない制限がある点に注意が必要です。
ストレージは、企業にとって顧客情報やビジネス上の重要データを扱う根幹システムです。万が一故障が発生すれば、システムダウンによる業務停止、データ復旧費用、信用失墜など、大きな損害につながるおそれがあります。そのため、ストレージの不具合を未然に防ぎ、万が一トラブルが起きた場合でも迅速に対応する「保守」が不可欠です。
また、ストレージメーカーやモデルごとに、保守が受けられる期間(保守期限)が設定されていることが多い点にも留意が必要です。保守期限が終了する時期を把握せずに機器を使い続けると、故障発生時に修理・交換のサポートを受けられないリスクが高まります。これを回避するために、メーカー保守や第三者保守を計画的に導入しましょう。
ストレージ保守にはさまざまな形態があります。ここでは代表的な3つをご紹介します。
ストレージを製造しているメーカーが公式に提供する保守サービスです。部品在庫や技術ノウハウが充実している反面、サポート期間が限定されているケースが多いのが特徴です。製品寿命(5~7年程度)が過ぎると「EOSL(End Of Service Life)」としてサポート終了になったり、保守費が高額になったりすることもあります。
メーカー以外の企業が提供する保守サービスを指します。EOSL後でも独自ルートでパーツ調達し、メーカー保守終了後もサポートを継続できるメリットがあり、保守費用が抑えられることも多いです。また、複数メーカーのストレージを統合的に保守する契約が結べるため、保守窓口を一元化できるメリットもあります。
一方、保守業者によって技術力や部品調達力に差があるため、選定時には十分な調査が重要です。
自社のIT担当者やエンジニアが、故障対応や障害時の調査・修理を行う形態です。自社保守を行う場合、技術者確保や部品の在庫管理、ノウハウの蓄積が必要です。迅速な対応ができる一方、専門知識が不足する場合、トラブルが長引くリスクもあります。
メーカー保守の期限が切れると、公式の修理受付やパーツ調達が不可能になり、万が一の障害時に大きなリスクを抱えることになります。しかし、機器そのものはまだまだ使えるケースも多く、「新規購入やシステム移行の予算がすぐには確保できない」「移行のスケジュールが組みにくい」という場面も少なくありません。
こうした状況で役立つのが「第三者保守」です。独自の中古パーツ流通ネットワークを持つ業者であれば、メーカー保守終了後のストレージ機器でも修理・交換対応が可能です。延命することで、コストを抑えつつシステムを安定稼働させ、その間に新システムへの移行計画をじっくり立てることができます。
ただし、第三者保守企業によっては、対応できるストレージのメーカーや機種が限られる、オンサイト対応に時間がかかるなどの差があります。事前の比較検討と実績確認が大切です。
ストレージ保守を選ぶ際には、以下の3点を特に意識するとよいでしょう。
対象となる機器やOS、ソフトウェア、さらに障害発生時のオンサイト作業や遠隔サポートなど、どの範囲まで支援してくれるかが大切です。企業によってはマルチベンダー環境を運用している場合もあるため、複数メーカーに対応できるか、サポート体制が整っているかを確認しましょう。
メーカー保守・第三者保守・自社内製のいずれを選ぶかで、初期費用とランニングコストが変わります。第三者保守なら、メーカー保守終了後の延長保守が比較的リーズナブルに提供されるケースもありますが、契約内容やサポートレベルによって費用が増減するため、事前に見積もりを取って比較することが欠かせません。
ストレージごとにメーカー保守期限や第三者保守の契約終了日が異なると、更新漏れや混乱が生じる可能性があります。システム担当者は、保守契約の期限管理を一元的に把握し、切れ目のないサポートを受けられるようスケジュールを立てる必要があります。
ストレージ保守に関する基礎知識と具体的な内容をお伝えしました。ストレージの選び方や保守の種類は多岐にわたりますが、共通して言えるのは「障害が起きたときにどれだけ早く復旧できるか」という点が事業継続に大きく影響するということです。メーカー保守が切れた後は第三者保守も含めて検討し、サポート範囲・コスト・期限管理などをしっかり見極めて選ぶことが、長期的に安定したストレージ運用につながります。
全国に対応する第三者保守会社の中で、保守の種類が2種類以上あり、パーツのストックが10,000点以上の会社を選定。その中でも「障害時のスピード」「実績」「品質」というポイントで、おすすめの3社ピックアップしました。

引用元:ブレイヴコンピュータ公式HP
https://www.brave-com.jp/

引用元:データライブ公式HP
https://www.datalive.co.jp/

引用元:ネットワンネクスト公式HP
https://www.netone-next.co.jp/service/maintenance/
【選定条件】
2024年2月29日時点、Googleで「第三者保守サービス」と検索して表示された公式HPのうち、第三者保守サービスを行っている25社を調査。「全国対応」「パーツ備蓄量が10,000点以上」「保守の種別が2種類以上」の会社のうち、以下の理由から3社を選定しました。
さらに、以下の理由から3社を選定しました。
ブレイヴコンピュータ:全国の主要都市にある拠点に、顧客の専用保守パーツをストックし、最速オンサイト保守時間を実現
データライブ:第三者保守の対応実績が最も多い
ネットワンネクスト:ハイエンド機器や大型設備機器の第三者保守に加えて、再生品の販売(ECサイト)やレンタルなど網羅的にサービスを提供
※最速2時間の対象:東京23区、平日8時から20時。対象機器:富士通PRIMERGY/ETERNUS