メーカー製品の多くは販売終了から5~6年ほどでEOSLになるのが一般的で、企業側はまだ使えるコンピュータ機器であっても、不具合が発生した際の保守が受けられない、あるいは故障した部品の購入ができなくなってしまうことから、新しい製品の購入・買い替え、システムの入れ替えなどの検討をせまられることになります。
ただ、リプレースには莫大な費用と時間がかかるほか、使い慣れたシステムやコンピュータ機器を変更することで業務に支障が出るなど、様々な問題が発生します。
そこで、メーカーに代わりコンピュータ機器の保守・メンテナンスを専門に請け負うサードパーティによるサービスが、EOSL保守です。
EOSLは、「End of Service Life」の略です。日本語では、製品のサポートやサービス期間の終了を意味します。コンピューターやサーバーなどIT製品のEOSLと言った場合、それは保守切れ製品を指しています。EOSL製品と呼ばれることも多いです。
EOSLを迎えると、メーカーによるサポート・サービス期間が終了するため、サポート期間満了日の翌日以降、IT機器やシステムに不具合が起きても、メーカーからのサービスやサポートが受けられなくなります。製品の保守や修理、パーツ交換といった、サポート期間には受けられていた各種のサービスが受けられなくなるのです。
その結果、部品の故障修理やリプレースを適切なタイミングで行うことができなくなり、自社システムにバグや脆弱性が発見されても改修がされないので、セキュリティリスクを抱えることになります。
EOSLと似た言葉でEOL(End of Life)があります。
直訳すると「寿命の終わり」となりますが、IT業界では主にネットワーク機器やストレージ製品の製造・出荷・受注などの終了、ソフトウェアなどのサポートの終了および修正・更新プログラムの提供終了という意味で使われています。
EOSとは「End Of Sales」の略称で、製品・サービスの販売の終了を意味する言葉です。メーカーによっては、「End Of Support(保守サービス終了)」の意味で使われることもあります。導入している製品・サービスのEOSを調べる際は、どちらの意味を指すのか注意が必要です。
EOSを迎えた製品・サービスは購入またはメーカーからのサポートを受けられなくなるため、事前に購入したり第三者保守を検討したりする必要があります。
EOSSは「End of Standard Support」の略称で、Dell EMC製品の標準保守期間の終了を意味する言葉です。一部の製品はExtended Supportを利用することでメーカー保守を継続することが可能。Extended Supportを利用できない製品については、EOSSを迎えた後はメーカー保守サービスを受けられなくなります。
EOSL延長保守サービスの標準内容は、EOSL延長保守サービスを提供する保守ベンダー各社より様々なサービス・プランが提供されています。
コンピューター、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器といったITハードウェア資産の保守、メンテナンス、故障時の修理、部品交換など様々です。
一例として、IT機器の保守サービス専門会社・フィールドワンでは、オープンソース「Zabbix」を用いた監視システム構築サービスを提供しています。本サービスは、クライアント会社の拠点内のシステム上に監視システムを構築するというものです。ライセンス費用のかからないオープンソースを利用しているため、コストを抑えたシステム監視が可能になります。
また、ITハードウェア延長保守の専門会社・データライブでも、サーバーやストレージ等IT機器群の「EOSL延長保守サービス」を提供しています。当社の第三者保守サービスでは、「構成情報の管理と適合パーツ登録」「24時間受付のコール窓口」「障害管理と手配、障害切り分け支援」「交換パーツの配備・配送・補充」「オンサイト作業と正常性の確認」など、様々な保守サービスを盛り込んだトータル保守が標準サービスの範囲内で受けられます。
故障部品の交換や調達に関しては、製品の機種や型番により確保が難しい場合もあるので、事前に第三者事業に延長保守サービス標準内容を確認しておきましょう。
※参照元:フィールドワン|監視システム構築サービス
※参照元:データライブ|EOSL延長保守サービス
EOSL延長保守サービスレベルは、延長保守サービスを提供する保守ベンダーごとに様々なサービスやプランがあります。
保守サービスの定義、サービスの範囲、内容、作業範囲、運用可能な端末数、拠点の数や規模、機器・部品の調達可否、達成目標など‥サービスレベルは事業者ごとに、プランごとに異なりますので、ベンダーを選定する際に確認が必要です。
サービスレベルの一例をあげると、フィールドワンの監視システム構築サービスでは、最低でも「監視対象機器は100台前後まで」は対応可能としています。大規模システムを監視する場合は「別途ご相談」ですが、ある程度のシステムまで対応が可能だと考えられます。
また、データライブが提供するEOSL延長保守サービスでは「オンサイト保守(24時間365日)」「オンサイト保守(平日9-17時)(平日9-17時/翌営業日対応)」「センドバック保守(パーツ保守)(平日9-17時)」「カスタム保守(データセンター・クラウド基盤・多拠点向け)」など、プランごとに対応時間の異なる複数のサービスレベルを提案しています。
このように、EOSL延長保守サービスレベルは事業者やプランごとに異なるので、ベンダーごとにSLA(サービス・レベル・アグリーメント)の確認が必要です。サービス利用者とサービス提供者が、要求品質(求めているサービス)と提供可能なサービスについて事前のすり合わせを行い、適切なレベルでの保守を依頼しましょう。
※参照元:フィールドワン|監視システム構築サービス
※参照元:データライブ|EOSL延長保守サービス
EOSL延長保守のオプションについては、標準サービス以外の保守サービス関しては全てオプションということになります。
例として、データライブのEOSL延長保守サービスでは、機器情報の登録・管理、コール窓口の24時間提供、障害の切り分け支援、交換パーツの配備・配送・補充といったサービスは標準サービスですが、「記憶媒体(HDD等)返却不要サービス」「専用部材オプション・サイトスペアオプション」「ネットワーク機器の設定キッティング代行(コールドスタンバイ)」などのサービスはオプションです。
EOSL延長保守サービスを利用する場合は、どこまでが標準でどこからオプションになるのか、サービスプランの構成内容を確認しておく必要があります。
※参照元:データライブ|EOSL延長保守サービス
EOSL延長保守サービスを利用する場合、どのような保守対応フローで行われるのでしょうか。例として、フィールドワンの監視システム構築サービスの障害対応フローを紹介します。
フィールドワンの監視システム構築サービスでは、コストを抑えて導入したいクライアント向けに、クライアント自身の自社サーバー上にフィールドワンの監視システムを構築するサービスプランを提供しています。
この場合の対応フローは、①お客様サーバーへの「Zabbix」活用による監視システムの構築→②お客様システム(各種サーバー・ネットワーク機器)の監視、となります。コストが抑えられる反面、監視システムを開始するタイミングは専用機を使用する場合に比べて遅くなります。
フィールドワンの監視システム構築サービスでは、「監視システムを容易かつ素早く開始したいお客様向け」に、お客様サーバーではなくZabbixサーバーを使用して監視システムを構築するサービスプランも提供しています。この場合の対応フローは、①Zabbixアプライアンス(Zabbixサーバー)の導入→②お客様システム(各種サーバー・ネットワーク機器)の監視、というフローになり、自社サーバーを使用する場合に比べてコストはかかりますが、監視業務を容易に開始することができます。
※参照元:フィールドワン|監視システム構築サービス
研究開発分野のDX推進において、とりわけハード面で各種ITインフラの高度化・スマート化が加速度的に進んでおり、それに対応する必要があったとある国立研究所。コスト面の制約、故障パーツの返却ができないといった懸念材料を抱えていましたが、第三種保守ベンダーのデータライブは、部材原価、役務原価の交渉、遊休機器の転用によるコスト削減を図る一方、お客様ルールでHDDを処分できる「HDD返却不要サービスオプション」を提案し、一連の懸念を払拭できることを説明しました。結果、国立研究所はデータライブによる第三者保守サービスの導入を決定。システム更改の見通しが立たない中、予算内での現行システムの継続使用が可能になりました。
※参照元:第三者保守 導入事例 - データライブ
メーカー製品の多くが5~6年ほどでEOSLとなり、それに伴いリプレースを選択するのが一般的でしたが、第三者保守が提供する延命保守サービス(EOS = Extension Of Service Life)によってメーカー保守終了後も継続してシステムなどを利用できるようになります。
延命保守サービスを利用することで使い慣れたシステムを可能な限り長く使えるばかりでなく、無駄なリプレースを回避することでリプレースに伴うコンピュータ機器やシステムの購入費や、リプレース時のデータ移行やテスト、ネットワーク設定にかかる人件費を削減できます。
また、企業のIT戦略に基づいて適切なリプレースの時期を決めることができ、圧縮できた保守費を新たなシステム開発といった「攻めの投資」に充てることができます。
リファービッシュ(refurbish)とは、初期不良品などをメーカーが修理・調整を行ない、再出荷された整備品のことをいいます。
いわゆる中古品との異なり、専門家の修理・整備によって新品とほぼ同等に機能することが確認されている製品であり、新品よりも安価で購入することができるほか、3ヶ月~1年程度のメーカー保証付きが多くみられます。
すでにメーカー有償保証が切れている機器については、各種部品も新品の在庫がない場合もありますが、独自の入手経路や流通経路によって新品同様のリファービッシュ品を調達できる第三者保守サービスを利用することで、延命が難しかった機種や延命できなくなってしまった機種も、引き続き利用できる可能性があるのです。
全国に対応する第三者保守会社の中で、保守の種類が2種類以上あり、パーツのストックが10,000点以上の会社を選定。その中でも「障害時のスピード」「実績」「品質」というポイントで、おすすめの3社ピックアップしました。

引用元:ブレイヴコンピュータ公式HP
https://www.brave-com.jp/

引用元:データライブ公式HP
https://www.datalive.co.jp/

引用元:ネットワンネクスト公式HP
https://www.netone-next.co.jp/service/maintenance/
【選定条件】
2024年2月29日時点、Googleで「第三者保守サービス」と検索して表示された公式HPのうち、第三者保守サービスを行っている25社を調査。「全国対応」「パーツ備蓄量が10,000点以上」「保守の種別が2種類以上」の会社のうち、以下の理由から3社を選定しました。
さらに、以下の理由から3社を選定しました。
ブレイヴコンピュータ:全国の主要都市にある拠点に、顧客の専用保守パーツをストックし、最速オンサイト保守時間を実現
データライブ:第三者保守の対応実績が最も多い
ネットワンネクスト:ハイエンド機器や大型設備機器の第三者保守に加えて、再生品の販売(ECサイト)やレンタルなど網羅的にサービスを提供
※最速2時間の対象:東京23区、平日8時から20時。対象機器:富士通PRIMERGY/ETERNUS