社内のネットワークは、ONU/モデムをはじめ、ルーターやハブ、アクセスポイント、各種ケーブルなどのネットワーク関連機器で構成されています。これらの機器に故障や不具合が起こった場合、ネットワークが正常に機能しなくなるネットワーク障害が発生。ネットワークに依存している企業は多く、ネットワーク障害が発生すると普段の業務に支障をきたすだけでなく大きな問題や損失につながりかねません。
問題や損失をできるだけ最小限に抑えるためにも、ネットワーク障害が発生したら早期復旧に向けた対応が求められます。
日経NETWORKが毎年実施しているアンケートによると、ネットワークがつながらなくなる原因として「機器(ハードウェア)の故障」をあげる声がかなり多いとのこと。さらに複数の機器ベンダーにネットワーク機器の故障の原因について取材したところ、製造不良や経年劣化を除いて、温度や雷、水、衝撃という回答が多かったようです。
そのなかでも、ネットワーク機器の故障に大きく影響するのが「設置環境の温度」です。ネットワーク機器の設置環境が高温だと機器内部の電解コンデンサーの寿命が縮み、早く壊れやすくなるのだそう。逆に考えると周囲の温度を下げることで電解コンデンサーが長持ちし、故障の防止につながると言えるでしょう。一般的に設置環境の温度が10度下がると、電解コンデンサーの寿命は2倍に伸びると言われています。
※参照元:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/it/article/Watcher/20121128/440602/)
ネットワーク機器の故障のほかにネットワーク障害を引き起こす原因としては、「社内要因」と「外的要因」の2つに分けられます。それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。
社内要因として考えられるのは、「機器類の故障・不具合」と「設定・配線ミス」です。設定・配線ミスはネットワークの保守・運用担当者によるものが多く、機器交換や保守作業に伴う設定・構成変更を行なった際にネットワーク障害が発生しやすいとのこと。また、ネットワーク関連の業務に携わっていない従業員が無意識に設定や配線を変更したことで、ネットワーク障害が発生する場合もあります。
外的要因として考えられるのは、「自然災害の影響による回線事業者・プロバイダ側のトラブル」「回線事業者・プロバイダ側の設備故障・不具合」「保守作業中によるアクセス集中」など。外的要因による症状の例としては、Webサイトを閲覧できない、メールの送受信ができない、クラウド上のシステムやサーバーにアクセスできないなどがあげられます。
ネットワーク機器が故障してネットワーク障害が発生した場合、普段使っている社内LAN(Wi-Fi)やインターネットが利用できなくなります。
社内サーバーやクラウドに接続できず、業務の中心を担っているシステムが使えないとなると、業務を停止せざるを得なくなることも。それにより製造・生産現場での生産がストップしたり、流通の現場での出荷・受注停止を引き起こしたり、といった事態になりかねません。そうなると停止していた期間の売上の損失につながり、さらに顧客からの信用低下や損失の補償を求められる可能性も考えられます。
また、社内サーバーで運用しているWebサイトをECサイトまたは問い合わせの窓口として活用している場合、ネットワーク障害が復旧するまでユーザーからの注文や問い合わせを受け付けられず、売上や機会損失に直結するリスクもあります。ネットワーク障害は社内だけでなく、顧客やユーザーにまで影響を及ぼしかねないため、企業にとってかなりリスキーな問題と言えるでしょう。
ネットワーク機器の故障は多くの人に影響を与えることもあり、ときには重大なトラブルとなることも。ここでは、ネットワーク機器の故障におけるトラブル事例を紹介します。
証券取引所のネットワーク機器故障により、大手証券会社が売買注文の受付を一時停止することになった事例です。証券取引所において一部の回線ルートが遮断され、システム障害が発生。売買注文を行う4回線のうち1回線が不通となりました。
システム障害の原因は、ある証券会社から通常の1,000倍近い量の電文が誤って送信されてしまい、サーバーの処理能力を上回ってしまったことにあるようです。
※参照元:急コール
2019年5月の改元に伴い、新元号に対応するためシステム改修が行われていました。しかし、トラブルが頻発。トラブルの内容は元号の表示誤りから生活に影響を与えるものまでさまざまであり、自治体やインフラ事業でのシステムトラブルが多かったようです。
情報処理推進機構(IPA)社会基盤センターが公開している情報システムの障害状況レポートによると、改元に伴うシステム障害として、17件のトラブル報告がありました。
※参照元:急コール
電鉄のネットワーク機器が故障した事例です。運輸指令所内のネットワーク機器が故障し、全線において電車と指令所をつなぐ無線が不通に。運転を見合わせる結果となり、約1時間半後に運転を再開しました。故障時が朝の通勤ラッシュだったこともあり、約15万人に影響を及ぼしてしまったのだそうです。
※参照元:急コール
ネットワーク障害が発生した場合、まずは要因に当たりをつけることが重要です。そのため、ネットワークが利用できないパソコンの範囲を調べ、その範囲から要因を探っていきます。
たとえば、1台のみネットワークが利用できない状況であれば、LANケーブルやパソコンに故障または不具合がないか、ネットワーク設定が適切かどうかを確認。複数のパソコンでネットワーク障害が発生している場合は、共通して接続しているアクセスポイント・ルーターやハブ、ケーブルの故障・不具合、ネットワーク機器の設定や配線にミスがないかを確認します。
すべてのパソコンでネットワーク障害が発生している場合も、ネットワーク関連機器の故障・不具合、設定・配線ミスがないかを確認。問題がなければWebサイトやSNSで回線事業者・プロバイダから通信障害のお知らせがないか、ネットワーク障害が話題になっていないかなど情報収集を行ないます。
設定・配線ミスについては、直近で機器を触った業者や従業員に確認してもらいましょう。ネットワークに詳しくない従業員が触った可能性がある場合は、機器の設定や配線を無理にいじらずに、ネットワークの保守・運用担当者に相談することをおすすめします。
ネットワークが止まると業務に支障をきたして大きな損失につながりかねないため、故障時にすぐに取り換えられるスムーズな復旧体制をつくっておく必要があります。
第三者保守なら保守保全技術と代替部品を持っているため、保守を継続させることが可能。パーツは中古市場から入手するので、メーカーから調達するよりもコストを削減できます。また、定期的にメンテナンスをしてもらうことで、ネットワーク機器の故障によるトラブルを予防できるのも第三者保守を利用する大きなメリットです。
全国に対応する第三者保守会社の中で、保守の種類が2種類以上あり、パーツのストックが10,000点以上の会社を選定。その中でも「障害時のスピード」「実績」「品質」というポイントで、おすすめの3社ピックアップしました。

引用元:ブレイヴコンピュータ公式HP
https://www.brave-com.jp/

引用元:データライブ公式HP
https://www.datalive.co.jp/

引用元:ネットワンネクスト公式HP
https://www.netone-next.co.jp/service/maintenance/
【選定条件】
2024年2月29日時点、Googleで「第三者保守サービス」と検索して表示された公式HPのうち、第三者保守サービスを行っている25社を調査。「全国対応」「パーツ備蓄量が10,000点以上」「保守の種別が2種類以上」の会社のうち、以下の理由から3社を選定しました。
さらに、以下の理由から3社を選定しました。
ブレイヴコンピュータ:全国の主要都市にある拠点に、顧客の専用保守パーツをストックし、最速オンサイト保守時間を実現
データライブ:第三者保守の対応実績が最も多い
ネットワンネクスト:ハイエンド機器や大型設備機器の第三者保守に加えて、再生品の販売(ECサイト)やレンタルなど網羅的にサービスを提供
※最速2時間の対象:東京23区、平日8時から20時。対象機器:富士通PRIMERGY/ETERNUS