昨今のAI需要急増や地政学的リスクを背景に、HDDやメモリをはじめとするサーバー部材の価格高騰が続いています。これにより、「予算内で希望のスペックが組めない」「納品時期が全く見通せない」といった事態が発生し、サーバーのリプレイス(更改)計画を予定通りに進められず、頭を抱えるシステム担当者は少なくありません。
このような部材高騰のあおりを受け、リプレイス計画が延期になった際に直面するのが、現行サーバーの「保守切れ」という深刻な課題です。本記事では、調達遅延と価格上昇の二重苦を乗り回え、現行システムを安全に使い続けるための現実的な手段として、「第三者保守」を用いた延命策について詳しく解説します。
まずは、サーバー部材の高騰が企業のリプレイス計画にどのような具体的な影響を及ぼしているのか、その背景と現状を整理します。
生成AIをはじめとする高度なIT技術の急速な普及により、データセンター向けの高性能なHDD、SSD、大容量メモリなどの需要が爆発的に増加しています。これに加え、中東情勢の不安定化に伴う輸送ルートの迂回や物流コストの上昇が、サプライチェーン全体に大きな負荷をかけています。これらの要因が複合的に絡み合い、一般的な業務用サーバーの部材価格も引き上げられる結果となっています。
部材価格の高騰は、企業のIT予算に直接的な打撃を与えます。数年前に策定した更改予算の範囲内では、現在必要とされるスペックのサーバーを調達することが難しくなっています。予算超過を理由に稟議が通らず、結果として「スペックを妥協するか」「リプレイス自体を延期するか」という苦渋の決断を迫られるケースが増加しています。
サーバー部材の高騰は、単に「価格が高い」という問題だけにとどまりません。調達の遅れと相まって、情報システム部門にとって致命的なリスクを引き起こす要因となります。
サーバーのリプレイスは通常、現行機器のメーカー保守サポート終了(EOSL:End of Service Life)のタイミングに合わせて計画されます。しかし、価格高騰による予算見直しや、それに伴う発注の遅れ、さらには部材不足による納期の長期化が発生すると、新しいサーバーが納品され稼働を開始する前に、現行機のメーカー保守が終了してしまいます。これが「保守空白」と呼ばれる状態です。
「新しいサーバーが届くまで、とりあえずそのまま動かしておこう」という判断は、企業にとって非常に危険です。メーカー保守が切れた状態でHDDの故障やメモリの障害が発生した場合、正規ルートでの代替部品の調達や、専門の技術者による復旧支援を受けることができません。自力での復旧には多大な時間を要し、長期間のシステム停止が事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
新しいサーバーの調達が困難な状況下では、現行のサーバーをそのまま使い続ける「延命」が視野に入ります。では、この延命措置は企業システムにおいてどこまで現実的な選択肢なのでしょうか。
サーバーなどのハードウェアは、メーカーが定めた保守期間(EOSL)を過ぎたからといって、その瞬間に動作を停止するわけではありません。多くの場合、機器自体は十分な性能を保っており、物理的な故障が発生した際に適切にパーツを交換・修理できる体制さえ整っていれば、さらに数年間は安定して稼働させることが十分に可能です。
この「適切な保守体制」をメーカーに代わって提供するのが、第三者保守サービスです。第三者保守を利用すれば、メーカーのサポートが終了した機器であっても、対象となる交換パーツの在庫がある限り保守サポートを継続できます。高騰する新機種を無理に導入せずとも、既存の使い慣れたシステムを安全に維持できるため、リプレイス延期時の現実的かつ合理的な解決策として多くの企業に選ばれています。
第三者保守をより実効性の高いものにするためには、ハードウェア・部材面での物理的な対策を組み合わせることが重要です。
新品のHDDやメモリが高騰し調達が難しい場合でも、整備済みの再生品(リファービッシュ品)であれば、比較的安価かつ短納期で入手できるケースがあります。第三者保守の専門業者は、こうした再生品の独自の調達ルートを持っていることが多く、メーカー販売が終了した古い型番のパーツであっても確保できる可能性が高まります。
現在稼働しているサーバーと同型の機器を、中古市場などから調達して「コールドスタンバイ(予備機)」として手元に置いておく手法も有効です。万が一のハードウェア障害発生時には、この予備機に切り替える(またはパーツを移植する)ことで、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
現行システムの安全な延命を実現するためには、「技術力」だけでなく「部材の調達力」を兼ね備えた第三者保守ベンダーをパートナーに選ぶことが不可欠です。必要な時に必要なHDDやメモリなどのパーツが迅速に供給される体制があるかどうかが、延命の現実性を大きく左右します。
リプレイスの延期に伴い、実際に第三者保守の導入を検討する際、どのような基準で業者を選べばよいのでしょうか。確認すべき重要なポイントを挙げます。
当然ながら、自社で利用しているサーバーのメーカー(HPE、DELL、富士通、NECなど)や特定の型番に対する保守実績があるかを確認します。マルチベンダー対応を謳っていても、特定の古い機器に関するノウハウが不足している場合があるため、事前の対応可否の確認は必須です。
障害発生時に迅速な対応ができるよう、業者が自社倉庫等に十分なパーツ(とくに故障率の高いHDDや電源ユニットなど)を備蓄しているかを確認します。また、単に数を持っているだけでなく、良品として確実に出荷するための厳しい品質検査基準を設けているかどうかも、信頼性を測る上で重要な指標となります。
部材高騰や納期遅延を理由とした第三者保守の利用は、「新しいサーバーが適正価格で納品されるまでの半年〜1年間だけ」といった、いわゆる「つなぎ」としての要望が多くなります。そのため、年単位の長期契約に縛られず、自社の今後の更改スケジュールに合わせて柔軟に契約期間を設定できる業者を選ぶと安心です。
AI需要や国際情勢、物流ルートの混乱、為替など、複数の構造要因が絡み合っているため、短期間で以前のような低価格かつ即納の状態に戻るとは一概に言えません。不確実な復旧を待つだけでは保守空白期間が延びる一方となるため、現行機の延命措置などの現実的な対策を早期に進めることが推奨されます。
部材の市場流通価格が上がると、新品を調達する際の保守用パーツ単価も上昇する傾向があります。しかし、独自のグローバルな調達ルートや再生品(リファービッシュ品)の豊富な備蓄を持つ第三者保守ベンダーであれば、部材高騰の影響を抑え、比較的安定した価格で保守用パーツを提供できる体制が整っています。
可能です。納品予定が全く立たない、あるいは予算見直し等により更改スケジュール自体が白紙になってしまった場合でも、現在の稼働機を無保守にしないために、期間を定めず柔軟なつなぎ契約を結べる業者は存在します。現状に合わせた最適なプランを構築できます。
HDDやメモリをはじめとするサーバー部材の価格高騰は、企業のITインフラ更新計画に大きな狂いを生じさせています。予算不足や調達遅延によってリプレイスが延期されれば、現行機のメーカー保守が切れる「保守空白」という重大なリスクに直面することになります。
このような厳しい状況下において、第三者保守は単なる古い機器の使い回しではなく、事業継続を守るための戦略的かつ現実的な手段として機能します。高騰する新品の調達を急ぐのではなく、再生品や予備機の活用とあわせて第三者保守を導入することで、コストを抑えながら安全にシステムを延命させることが可能です。
部材高騰でリプレイスに行き詰まりを感じている場合は、まずは自社サーバーの保守終了日を正確に把握し、部材調達力と確かな技術力を持つ第三者保守ベンダーへ早めに相談することをおすすめします。
全国に対応する第三者保守会社の中で、保守の種類が2種類以上あり、パーツのストックが10,000点以上の会社を選定。その中でも「障害時のスピード」「実績」「品質」というポイントで、おすすめの3社ピックアップしました。

引用元:ブレイヴコンピュータ公式HP
https://www.brave-com.jp/

引用元:データライブ公式HP
https://www.datalive.co.jp/

引用元:ネットワンネクスト公式HP
https://www.netone-next.co.jp/service/maintenance/
【選定条件】
2024年2月29日時点、Googleで「第三者保守サービス」と検索して表示された公式HPのうち、第三者保守サービスを行っている25社を調査。「全国対応」「パーツ備蓄量が10,000点以上」「保守の種別が2種類以上」の会社のうち、以下の理由から3社を選定しました。
さらに、以下の理由から3社を選定しました。
ブレイヴコンピュータ:全国の主要都市にある拠点に、顧客の専用保守パーツをストックし、最速オンサイト保守時間を実現
データライブ:第三者保守の対応実績が最も多い
ネットワンネクスト:ハイエンド機器や大型設備機器の第三者保守に加えて、再生品の販売(ECサイト)やレンタルなど網羅的にサービスを提供
※最速2時間の対象:東京23区、平日8時から20時。対象機器:富士通PRIMERGY/ETERNUS